協会事業

令和2年度 重点事業・事業計画の概要

重点事業は日本看護協会の方針を踏まえながら、島根県の実情を考え理事会で決定しました。

事業は単年度で達成するものではなく、一定の期間をもって進めることが必要であると見込んでいます。このため、昨年度に引き続き4つの重点事業は継続し、それを達成するための事業について見直しを行いました。

Ⅰ 地域包括ケアにおける看護提供体制の構築

Ⅰ-1 訪問看護師の育成・確保・定着の推進

地域包括ケアを進める上で、訪問看護ステーションの役割は大きくなっている。この10年間(平成21年~令和元年)に、県内の訪問看護ステーションに従事する看護職員は1.8倍、訪問看護ステーション数は約1.6倍に増え、その63%は看護職員5人未満の小規模なステーションが占めている。このような状況を踏まえて、訪問看護ステーション協会や県行政との連携のもと、訪問看護師の育成・確保・定着に向けて取組んでいく。

<実施内容>

  • 訪問看護師養成事業 訪問看護eラーニング活用による訪問看護師養成講習会
  • 訪問看護ステーション出向研修事業
  • 訪問看護研修事業
  • 訪問看護支援センター(仮称)設置に向けた取組み
  • 島根県看護協会立訪問看護ステーションの将来ビジョン策定


Ⅰ-2 病院・在宅・地域等の看看連携や多職種連携の強化
「病院完結型」医療から「地域完結型」医療への移行が進められ、医療と介護の協働・連携のニーズが高まっている中で、看護職間および多職種との連携・協働は重要である。今年度も職能委員会活動や他団体との情報交換等さまざまな機会を通し、相互理解を深めながら、患者(利用者)や家族に対する質の高いサービス提供に繋げていく。

<実施内容>

  • 各職能委員会活動による看看連携や多職種連携事業
  • 保健師・助産師・看護師職能合同研修会(3職能活動交流会)
  • 看護協会・訪問看護ステーション協会・介護支援専門員協会合同研修会
  • 高齢施設で働く看護職との情報交換会


Ⅰ-3 母子のための安心・安全な地域包括ケアシステムの推進
島根県は、今後5年間の県政運営の指針となる「島根創生計画」を今年3月に公表し、「人口減少に打ち勝ち笑顔で暮らせる島根」を目指し、その目標として現在1.74の合計特殊出生率を2035年までに2.07に上昇させるとした。2025年を目途に進めている看護の将来ビジョンにおいても「健やかに生まれ育つことへの支援において、妊娠・出産・育児を取り巻く社会情勢の変化に対応した、安全で安心な妊娠・出産環境や健全な育児環境は少子化の改善に寄与し、将来にわたる揺るぎない社会につながる」と、看護の方向性が示されている。本会においても、県内の状況や目指す方向性を踏まえて事業を進めていく。

<実施内容>

  • 包括的母子保健推進における看護機能の強化を目指した取組み
  • 妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない助産・看護体制の構築
  • 助産師出向支援導入事業


Ⅰ-4 地域包括ケア推進に向けた支部活動の強化
地域包括ケアシステムは地域の特性に応じて進められている。職能団体として身近な地域ごとに行う支部活動は、これまで以上に活動の場が広がっている。行政や関係団体との協働・連携による活動を通して、住民へのサービスや地域貢献に繋げていく。


<実施内容>

  • 行政、他団体との連携強化
  • 地域の関係者と連携した、まちの保健室事業の推進

 

Ⅱ 看護職の働き方改革の推進

Ⅱ-1 勤務環境の改善に向けた取組み
日本看護協会は、患者(利用者)の尊厳を守り、安全で質の高い看護を持続的に提供するために、看護職自身が安全に尊厳を持って働ける健康的な職場が必要と考え、2018年3月に「看護職の健康と安全に配慮した労働安全衛生ガイドライン〜ヘルシーワークプレイス(健康で安全な職場)を目指して〜」を公表した。WLBの推進を更に前進させた、ヘルシーワークプレイスを看護職はもとより、県の医療勤務環境改善支援センター等とも連携しながら取り組む。

    <実施内容>
  • 看護職の働き方改革およびヘルシーワークプレイス推進のための看護管理者研修
  • 勤務環境改善好事例発表会


Ⅱ-2 ナースセンター機能の強化
ナースセンターは1992年に制定された「看護師等の人材確保の促進に関する法律(以下人確法)に基づき設置され、都道府県ナースセンターは都道府県の看護協会が都道府県から指定を受けて運営している。業務内容は、看護職の無料職業紹介事業(ナースバンク事業)・再就業支援等の研修の実施・「看護の心」普及事業・潜在看護職の把握等の調査である。2015年10月人確法の改正により、離職時等に看護師等免許保持者が ナースセンターへ自身の情報を届け出ることが努力義務化されたが十分浸透していないため、届出制度の推進と看護職の円滑な復職支援を強化する。

    <実施内容>
  • ナースバンク事業(どどけるんによる届出登録の推進)
  • 再就業支援等の研修の実施
  • プラチナナースのための研修・交流事業
  • 離職看護職の就業促進
  • 新型コロナウイルス感染症対策における潜在看護職の復職支援

Ⅲ 看護職の役割拡大の推進と人材育成

Ⅲ-1 特定行為研修制度の普及促進
2015年10月に「特定行為に係る看護師の研修制度」が創設され5年が経過し、県内においても研修修了者は徐々に増えている。また、県内の指定教育機関は今年2月現在5機関となり、今後研修修了者の一定数の増加が見込まれる。昨年度から特定行為研修体制整備に関して県からの受託事業として実施している。本事業がチーム医療を推進し、看護師がその役割をさらに発揮する制度創設の目的に沿ってきちんと普及するよう、課題を吸い上げながら支援を行っていく。

    <実施内容>
  • 特定行為研修制度啓発セミナーの実施
  • 看護師の特定行為研修シンポジウムの実施
  • 研修修了者の情報交換会


Ⅲ-2 新たな認定看護師制度の普及促進
県内における認定看護師教育課程は平成28年度に初めて開講し、平成30年度からは2校の教育機関が開講していた。しかし、令和2年度には2校とも休講となった。一方、認定看護師制度は令和元年に改正され、特定行為研修を盛り込んだ、新たな認定看護師教育が開始となった。県内においても新たな認定看護師教育課程の開講を医療機関等から強く望まれている。県内に認定看護師教育課程が開講されることは、受講できる対象者が広がること、受講にかかる滞在費や交通費等の経費負担が軽減できること等、受講希望者および所属施設双方にとって利点が大きい。県内の看護の質向上のためにも、新たな認定看護師制度の普及促進と教育課程開講に向けて関係者へ働きかけをおこなっていく必要がある。

  <実施内容>
  • 県内における新たな認定看護師教育機関開講に向けた取組み
  • 新たな認定看護師制度に関する情報提供

Ⅳ 看護基礎教育制度改革の推進

Ⅳ-1 看護師基礎教育の4年制化の推進
昨年度は「島根における看護師基礎教育を考える会」を開催し、多くの看護職の参加があり、アンケートにも様々な意見を頂いた。少子高齢化社会の到来は2025年から既に2040年を見据えてさまざま検討が進められている。今後看護職に求められる役割は何か、役割を担うための能力は何か、そのための教育はどうあるべきか等々、継続的な議論を続けていく必要がある。

  <実施内容>
  • 看護師基礎教育を考える会の継続実施


Ⅳ-2准看護師の課題解決に向けた取組み
准看護師が看護師になるため、2004年度から通信制による教育が開始され、本会においても進学支援の一環としての研修会や情報提供を行ってきた。しかし、年々研修会参加希望者は減少し、県内における准看護師養成所数や入学者数が減少傾向にある中で、准看護師に関する現状把握を行うため、会員施設を対象に昨年度実態調査を行った。今年度は、調査結果から見える課題整理を行い、看護チームにおける看護師、准看護師、看護補助者の役割分担の推進等、今後の事業展開に繋げる。

  <実施内容>
  • 前年度調査結果の分析と課題整理
  • 調査結果を踏まえた課題解決のための取組み