令和8年度島根県看護協会通常総会の開催にあたって
公益社団法人島根県看護協会
会 長 池田 康枝
会員の皆さまには、日頃より看護協会の活動にご支援・ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
今春より、NHK連続テレビ小説「風、薫る」の放送が始まりました。明治時代に「看護婦」という職業の制度化と技術向上に尽力した“明治のナイチンゲール”大関和(おおぜき ちか)さん、そして彼女を支えた鈴木雅さんを描いた作品です。現在、看護師は社会に欠かせない専門職として広く認められていますが、その礎には多くの先人たちの努力がありました。看護の原点を思い起こさせてくれる二人の姿を、毎朝楽しみに拝見しています。
さて、島根県では全国に先駆けて少子高齢化が進み、労働人口の減少も顕著となっています。生まれ育った地域で暮らし続けることが難しくなりつつある中、医療と介護の両面を必要とする高齢者の在宅療養は増加し、訪問看護ステーションの役割は一層重要性を増しています。本会では令和5年度に訪問看護支援センターを設置し、今年で4年目を迎えました。「訪問看護師の質向上」「人材確保」「経営・運営支援」「普及啓発」の4本柱を軸に訪問看護を支える取り組みを進めております。高齢化がさらに進む中、その人らしい生き方を最期まで支えるためには、年齢にかかわらず意思決定を支援することが、看護職の大切な専門性であると考えています。
一方で、感染症への対応も引き続き重要な課題です。令和7年度は季節性インフルエンザが定点当たり53.25人と過去最多を更新し、コロナ対応を含め、予断を許さない状況が続いています。また、今年1月には島根県東部で震度5強の地震が発生し、改めて日頃からの災害への備えの重要性を痛感しました。医療法改正により、県主導で災害支援ナースの派遣が行われますが、本会としても災害支援ナースの養成や研修・訓練など、有事に迅速に活動できる体制整備に努めてまいります。
また、職場環境や労働条件、処遇改善といった喫緊の課題に対してナースセンターを中心にスピード感をもって取り組むとともに、生涯学習を通じた資質向上や主体的なキャリア形成を支える研修にも力を注いでまいります。
昨年6月、日本看護協会は「看護の将来ビジョン2040」を公表しました。「その人らしさを尊重する支援」「専門職としての自律した判断と実践」「キーパーソンとしての多職種協働」の3つを掲げ、看護職がこれらに挑戦していく姿勢を示しています。すべての人が自分らしく生涯を過ごせる社会の実現に向けて、看護職自身がウェルビーイングな状態であることも欠かせません。自然豊かな島根の地で、仕事と私生活が調和し、どちらも人生を豊かにするものであってほしいと願っています。
令和8年度からの3年間、新たな重点政策・重点事業がスタートします。通常総会が通常規模で開催できますことに感謝申し上げるとともに、会員一人ひとりの声を大切にしながら、事業を着実に進めてまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。